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『母 住井すゑ』増田れい子著

子供の付き添いで病院に行き、待ち時間をもてあますことが多い私に、母がときたま本をくれる。

今月は長男の眼科通いで暇暇しく、何か読むもんないかと母に泣きついたら『橋のない川』著者の娘さんによる『母 住井すゑ』が来た。

定価1500円がブクオフ価格で105円。105円以上で本を買わないというタイトなルールが、最近の母の楽しみらしい。(私たち夫婦が週間漫画誌をホイホイ買うのを横目でせせら笑っている)

「住井すゑさんって『橋のない川』書いた人じゃん!その娘の本って一体何巻あるのよ!」と反射的に防御体制に入ったけど1冊で終わりだったよかった。

そんなわけで今、増田れい子著『母 住井すゑ』を読んでいる。(橋のない川はまだ読んでいない)
回想録は好きだ。
1930~40年代くらいの茨城県南部の農村生活。人として一本筋の通った母の教えの息づく暮らし。
思い出話が私はなぜかとにかく好きだ。生活や手仕事の描写は美しく、子供の目線に立ち返ってそれをそばで眺めている時間を追体験できるのが好きなのだと思う。幸福の全ては、そこにあったとさえ思える。(あれー、私自身は子供たちにそんな幸福を全然与えていないかもですが)

それにしても、文章がとてもきれい。育ちのいい文章とはこういうものか。文筆を生業としているような人の家庭では、普段の会話さえ洗練されているのに違いなくて、「言葉にする」表現があり、「言葉にしない」表現があり、そのどちらもが一般とはかけ離れて美しかったのだろうと思わせる。ごはんのたけるかまどの煙の一筋にさえ詩情がほとばしっているのには参った。
それにつけても、昔の女性たちの生活の過酷さよ。
井戸から風呂への水運び。タライと洗濯板。かまどでごはん。買い物は徒歩で服は手縫いよ手縫い!!とても真似できない。

ああ、だからこそ、なんだ、と思う。
昔の人の思い出語りに聞く生活そのものが、詩的に美しいのは。
母の母の、そのまた母が、命の輝きを燃やした暮らしがその時代にはあったのだ。

いいところで診察室から「お入りくださ~い」の呼び声がかかり、残念ながら本は中断となっている。日常の合間合間に、ぽろりとタイムスリップを楽しむように本を開く。
住井すゑさんが子供たちに作ってあげた小麦まんじゅうやお赤飯に匹敵するくらいの何かを、自分も子供たちに与えることができるだろうか。そうありたい。
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コメント

こんばんは??頭の良い人は本が好きですよね?因みに活字は3秒で寝る自信ありです(タイタニック系も)。体が拒否反応を起こすみたい・・・ホラーならテンションMAXなんだけどv-39BBQお疲れでした!実は次の日、熱出して旦那に病院連れてってもらったら39・3℃で「うわっ!!」って旦那が驚いていました・・・何日か点滴打ちに行き最近、回復です。
今度は鍋大会かな?

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